怒り

綾野剛繋がり、で結構前から気になっていた作品。

正直あんまり感想が出てこない。とにかくしんどい作品だったな。
3つの舞台が複雑に絡み合うのかと思ったら全然絡んでなかった。

個人的には佐久本宝くんがすごいと思った。

広瀬すずの癖のある喋り方が好きじゃなかったんだけど、この作品を観て印象が180度変わった。自らやりたいと志願した強さがすごいなあと。死ぬかと思った、いつ逃げ出してやろうかと思ったってそりゃそう思うよなって。しかも当時10代。広瀬すずは少女漫画実写化じゃなくて小説やオリジナル作品のメッセージ性が強くて演技力が試される作品に出るべきだなと思った。とりあえず皆「『怒り』の広瀬すずを観ろ」って。

宮崎あおいが号泣するシーンも凄かった。過呼吸が伝染しそうだった。

綾野剛妻夫木聡も凄い。途中から妻夫木が本当にゲイに見えてくる。作品によってはムキムキの綾野剛もこの作品ではひょろひょろで終始青白い。顔色だけじゃなくてオーラとか体まで青白く見える不思議。セリフも出演シーンも多くないしフッと消えてなくなっちゃうような。

「愛した人を信じられなかった怒り」
「大切な人を守りきれなかった怒り」
「自分にしか分からないどうしようもない怒り」

色んな怒りを描いていたんだろう。ミステリー要素を期待していたのもあり、ちょっと拍子抜け。全然関係ないじゃん。作中のミスリード?なのか、どうみても犯人に繋がる特徴を他の男たちが持ち合わせているのに結局関係なかったの?っていう謎。

犯人の動機を教えて欲しかった。語らない美学みたいなのじゃなくて、余りに分からない見えない部分が多すぎた。

冷えた麦茶はそんなに侮辱的なものだったのか。善意をその人の置かれた状況や精神状態によっては善意と受け取れない人もいるってことかな。

抽象的だから受けてが補って補完して観る部分が多い。そんな印象。

後味は全然良くない。おすすめはしないかな。
でも、こういう話もあるって知れたのはよかった。